
国立大学法人は、役員の報酬と職員の給与の水準を毎年公表することが義務づけられています。文部科学省は2026年6月、各法人の令和7年度分の資料をまとめて公表しました。この資料には、法人の長(学長など)に1年間で支払われた報酬の総額が、法人ごとに記載されています。
この記事では、81の国立大学法人の資料から法人の長の年間報酬を抜き出し、金額の多い順に並べました。
ランキングの評価方法

本ランキングは、各国立大学法人が公表する「役職員の報酬・給与等について(令和7年度)」をもとに作成しています。資料は文部科学省のウェブサイトにまとめて掲載されています。
- 指標:「役員の報酬等の支給状況」に記載された、法人の長の年間報酬等の総額(報酬(給与)、賞与、地域手当などの手当の合計)
- 対象:国立大学法人81法人のうち、令和7年度を通じて同じ人が在任した80法人。年度の途中で交代した佐賀大学は、通年の額にならないため順位から除いています
- 法人の長:原則として学長です。複数の大学を運営する機構では機構長、東京科学大学では理事長が該当します
金額は千円単位の公表値を万円に換算しました。個人名は記載していません。報酬の額は各法人の規程に基づくもので、本記事は金額の大小について評価を加えるものではありません。
国立大学 学長の年間報酬ランキング TOP10
| 順位 | 法人 | 年間報酬の総額 | 報酬(給与) | 賞与 | 教員平均給与に対する倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京大学 | 2,488.7万円 | 1,462.6万円 | 706.4万円 | 2.3倍 |
| 2 | 東海国立大学機構(名古屋大学・岐阜大学) | 2,367.5万円 | 1,468.8万円 | 693.1万円 | 2.2倍 |
| 3 | 京都大学 | 2,336.8万円 | 1,500.0万円 | 686.8万円 | 2.3倍 |
| 4 | 筑波大学 | 2,334.4万円 | 1,410.0万円 | 663.1万円 | 2.3倍 |
| 5 | 東京科学大学 | 2,296.7万円 | 1,355.7万円 | 686.2万円 | 2.7倍 |
| 6 | 大阪大学 | 2,260.6万円 | 1,429.2万円 | 657.5万円 | 2.1倍 |
| 7 | 東北大学 | 2,253.1万円 | 1,439.1万円 | 654.6万円 | 2.1倍 |
| 8 | 九州大学 | 2,198.0万円 | 1,429.2万円 | 640.1万円 | 2.2倍 |
| 9 | 神戸大学 | 2,192.8万円 | 1,383.6万円 | 643.2万円 | 2.0倍 |
| 10 | 一橋大学 | 2,147.0万円 | 1,332.0万円 | 615.1万円 | 2.0倍 |
80法人の平均は1,901.7万円、中央値は1,868.1万円でした。2,000万円以上は18法人です。
東京科学大学は教員の大半に年俸制が適用されており、倍率の基準となる教員平均給与の対象は38人に限られます。同大学の倍率は参考値としてご覧ください。
各大学の解説
第1位 東京大学(2,488.7万円)

東京大学の法人の長の年間報酬は2,488.7万円で、80法人の中で最も高い額でした。内訳は報酬(給与)が1,462.6万円、賞与が706.4万円で、残りは地域手当などの手当です。
同じ資料に載る大学教員(教育職種)の平均年間給与は1,082.9万円で、法人の長の報酬はその2.3倍にあたります。
第2位 東海国立大学機構(名古屋大学・岐阜大学)(2,367.5万円)

東海国立大学機構は、名古屋大学と岐阜大学を運営する法人です。機構長の年間報酬は2,367.5万円でした。報酬(給与)は1,468.8万円で、上位10法人では京都大学に次ぐ額です。
賞与は693.1万円でした。機構全体の大学教員の平均年間給与は1,072.7万円です。
第3位 京都大学(2,336.8万円)

京都大学は2,336.8万円でした。月々の報酬にあたる報酬(給与)は1,500.0万円で、80法人の中で最も高くなっています。賞与は686.8万円です。
第2位の東海国立大学機構との差は30.7万円、第4位の筑波大学との差は2.4万円でした。
第4位 筑波大学(2,334.4万円)

筑波大学は2,334.4万円で、京都大学とほぼ並びました。報酬(給与)1,410.0万円、賞与663.1万円です。
大学教員の平均年間給与は1,028.0万円で、法人の長の報酬はその2.3倍でした。
第5位 東京科学大学(2,296.7万円)

東京科学大学は2,296.7万円でした。同大学は2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して発足した法人で、法人の長は理事長です。
内訳を見ると、報酬(給与)が1,355.7万円、賞与は686.2万円で、このほか都市手当が計上されています。
第6位 大阪大学(2,260.6万円)

大阪大学は2,260.6万円で、報酬(給与)1,429.2万円、賞与657.5万円でした。
大学教員の平均年間給与1,064.0万円に対する倍率は2.1倍です。第7位の東北大学との差は7.5万円と、わずかでした。
第7位 東北大学(2,253.1万円)

東北大学の法人の長の年間報酬は2,253.1万円です。月々の報酬にあたる報酬(給与)は1,439.1万円で、大阪大学を上回っています。
賞与は654.6万円、大学教員の平均年間給与は1,056.1万円でした。
第8位 九州大学(2,198.0万円)

九州大学は2,198.0万円でした。報酬(給与)1,429.2万円は大阪大学と同額で、賞与は640.1万円です。
同じ資料に載る大学教員の平均年間給与は1,001.7万円でした。
第9位 神戸大学(2,192.8万円)

神戸大学は2,192.8万円で、九州大学との差は5.2万円でした。内訳を見ると、報酬(給与)が1,383.6万円、賞与は643.2万円です。
教員(教育職種)の平均年間給与は1,074.7万円で、教員の給与では81法人中13位に入ります。
第10位 一橋大学(2,147.0万円)

一橋大学は2,147.0万円でした。上位10法人の中で唯一、医学部や工学部を持たない大学です。
月々の報酬にあたる報酬(給与)は1,332.0万円、賞与は615.1万円でした。同じ資料に載る大学教員の平均年間給与は1,086.6万円で、法人の長の報酬はその2.0倍です。
第11位〜第20位
| 順位 | 法人 | 年間報酬の総額 | 報酬(給与) | 賞与 |
|---|---|---|---|---|
| 11 | 政策研究大学院大学 | 2,116.5万円 | 1,487.5万円 | 619.7万円 |
| 12 | 千葉大学 | 2,102.3万円 | 1,332.0万円 | 603.8万円 |
| 13 | 北海道大学 | 2,066.3万円 | 1,413.6万円 | 595.1万円 |
| 14 | 岡山大学 | 2,043.8万円 | 1,383.6万円 | 618.7万円 |
| 15 | 東京海洋大学 | 2,040.9万円 | 1,185.6万円 | 582.9万円 |
| 16 | 信州大学 | 2,026.2万円 | 1,383.6万円 | 597.7万円 |
| 17 | お茶の水女子大学 | 2,025.5万円 | 1,207.2万円 | 586.5万円 |
| 18 | 金沢大学 | 2,020.4万円 | 1,383.6万円 | 595.3万円 |
| 19 | 埼玉大学 | 1,990.8万円 | 1,177.5万円 | 546.4万円 |
| 20 | 長崎大学 | 1,975.1万円 | 1,358.8万円 | 582.7万円 |
第11位の政策研究大学院大学は、報酬(給与)が1,487.5万円で、京都大学に次いで高い額です。第20位までの法人はいずれも1,970万円以上でした。最も低い法人は旭川医科大学の1,556.8万円で、第1位との差は931.9万円です。
まとめ
国立大学法人の長の年間報酬は、東京大学が2,488.7万円で最も高く、東海国立大学機構、京都大学、筑波大学が続きました。上位には旧帝国大学を中心とする大規模な法人が並びます。80法人の平均は1,901.7万円で、最も高い法人と最も低い法人の差は約930万円でした。同じ資料には教職員の給与水準も載っているため、大学教員の平均給与のランキングとあわせてご覧ください。
出典:文部科学省「国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和7年度)」に掲載の各国立大学法人の公表資料(2026年6月公表、2026年9月30日閲覧)