
大学に入学する人の半数以上は、出身高校とは別の都道府県の大学に進んでいます。文部科学省の学校基本調査(令和7年度)によると、大学入学者645,513人のうち、出身高校と異なる都道府県の大学に入学した人は340,256人で、国内の高校出身者の54.6%にあたります。
では、その行き先はどこに集まり、どの県から出ていくのでしょうか。この記事では、都道府県ごとの流入と流出を集計し、大学生を集めている県と送り出している県を順位付けしました。
ランキングの評価方法

本ランキングは、文部科学省「学校基本調査」令和7年度(確定値)の「出身高校の所在地県別 入学者数」をもとに作成しています。大学(学部)の入学者が対象で、過年度の卒業者も含みます。
- 流入:他の都道府県の高校を出て、その県の大学に入学した人数
- 流出:その県の高校を出て、他の都道府県の大学に入学した人数
- 流入超過率:(流入−流出)÷その県の高校出身の大学入学者数。順位はこの値で決めています
- 自県残留率:その県の高校出身の大学入学者のうち、県内の大学に入学した割合
出身高校の所在地が「その他」(外国の学校、高等学校卒業程度認定試験など)の入学者は、流入・流出の計算に含めていません。県内に学部を置く大学の数と入学定員は、文部科学省「全国大学一覧」(令和7年度)によります。
流入超過率ランキング TOP10
| 順位 | 都道府県 | 流入超過率 | 流入超過数 | 流入 | 流出 | 自県残留率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 京都府 | +115.5% | +18,817人 | 26,204人 | 7,387人 | 54.6% |
| 2 | 東京都 | +93.6% | +74,737人 | 98,818人 | 24,081人 | 69.8% |
| 3 | 大阪府 | +23.4% | +10,979人 | 29,123人 | 18,144人 | 61.3% |
| 4 | 福岡県 | +13.7% | +3,210人 | 11,178人 | 7,968人 | 65.9% |
| 5 | 宮城県 | +13.5% | +1,400人 | 6,044人 | 4,644人 | 55.1% |
| 6 | 石川県 | +13.3% | +779人 | 3,784人 | 3,005人 | 48.7% |
| 7 | 愛知県 | +9.7% | +3,838人 | 14,685人 | 10,847人 | 72.5% |
| 8 | 神奈川県 | +0.8% | +361人 | 27,550人 | 27,189人 | 40.9% |
| 9 | 滋賀県 | -10.2% | -734人 | 5,097人 | 5,831人 | 18.9% |
| 10 | 岡山県 | -10.8% | -1,051人 | 4,692人 | 5,743人 | 41.2% |
流入が流出を上回ったのは8都府県だけで、残る39道県は流出超過でした。
各都道府県の解説
第1位 京都府(+115.5%)

京都府は流入超過率115.5%で第1位でした。府内の高校を出て大学に入学した人は16,286人ですが、府内の大学には36,549人が入学しており、2倍を超えています。他の都道府県からの流入は26,204人、府外への流出は7,387人で、差し引き18,817人の流入超過です。
府内に学部を置く大学は33校あります。入学定員が大きいのは同志社大学、龍谷大学、京都産業大学です。府内の高校出身者が府内の大学に進む割合(自県残留率)は54.6%でした。
第2位 東京都(+93.6%)

東京都の流入超過数は74,737人で、人数では全国で最も多くなりました。流入98,818人に対し、流出は24,081人です。都内の大学への入学者は160,910人で、全国の入学者645,513人の24.9%を占めます。
流入超過率は93.6%で、京都府に次ぐ第2位です。都内の高校出身者が79,821人と多いため、率では京都府を下回りました。自県残留率は69.8%で全国2番目の高さです。入学定員が大きい大学は日本大学、早稲田大学、法政大学で、都内に学部を置く大学は137校です。
第3位 大阪府(+23.4%)

大阪府は流入29,123人、流出18,144人で、10,979人の流入超過でした。流入超過率は23.4%です。流入の人数は東京都に次いで2番目に多く、京都府(26,204人)を上回っています。
一方で流出も18,144人と多く、率では上位2都府との差が開きました。自県残留率は61.3%です。府内には62校が学部を置いています。入学定員が大きいのは関西大学、近畿大学、大阪大学です。
第4位 福岡県(+13.7%)

福岡県は流入超過率13.7%で、三大都市圏以外では最も高い順位です。流入11,178人に対して流出は7,968人で、3,210人の流入超過でした。
自県残留率は65.9%で、愛知県、東京都に次いで全国3番目です。福岡大学、九州大学、九州産業大学などが県内に学部を置いており、その数は37校です。
第5位 宮城県(+13.5%)

宮城県は流入6,044人、流出4,644人で、流入超過は1,400人でした。流入超過率は13.5%で、福岡県との差は0.2ポイントです。北海道・東北地方で流入超過になったのは宮城県だけでした。
入学定員が大きい大学は東北学院大学、東北大学、東北福祉大学で、県内に学部を置く大学は15校です。県内進学の割合を示す自県残留率は55.1%です。
第6位 石川県(+13.3%)

石川県は流入超過率13.3%で第6位に入りました。県内の高校出身の大学入学者は5,861人と、上位10府県の中で最も少ない規模です。そこに他の都道府県から3,784人が入学し、流出3,005人を779人上回りました。
県内には13校が学部を置いています。入学定員が大きいのは金沢大学、金沢工業大学、金沢学院大学です。自県残留率は48.7%で、県内の高校出身者の半数強は県外の大学に進んでいます。
第7位 愛知県(+9.7%)

愛知県の自県残留率は72.5%で、全国で最も高い値です。県内の高校を出た大学入学者39,402人のうち、28,555人が県内の大学に入学しました。
流入は14,685人、流出は10,847人で、流入超過は3,838人、流入超過率は9.7%です。名城大学、中京大学、中部大学などが県内に学部を置いており、その数は54校です。
第8位 神奈川県(+0.8%)

神奈川県は流入27,550人、流出27,189人とほぼ同数で、流入超過は361人にとどまりました。流入超過率は0.8%で、プラスになったのは神奈川県までの8都府県です。
流入は全国で3番目、流出は全国で最も多い人数です。自県残留率は40.9%で、県内の高校出身者の約6割が県外の大学に入学しています。入学定員が大きい大学は神奈川大学、東海大学、関東学院大学で、県内に学部を置く大学は50校です。
第9位 滋賀県(-10.2%)

第9位以下は流出が流入を上回ります。滋賀県は流入5,097人、流出5,831人で、流入超過率は-10.2%でした。
自県残留率は18.9%と低く、県内の高校出身者の8割以上が県外の大学に進んでいます。それでも順位が高いのは、県外からの流入が県内の高校出身者7,194人の7割に相当するためです。県内には11校が学部を置いています。入学定員が大きいのは立命館大学、龍谷大学、滋賀大学です。
第10位 岡山県(-10.8%)

岡山県は流入4,692人、流出5,743人で、流入超過率は-10.8%でした。中国・四国地方では最も高い順位です。
残留率(自県の大学に進む割合)は41.2%です。岡山大学、岡山理科大学、川崎医療福祉大学などが県内に学部を置いており、その数は18校です。
送り出す県:流出超過率が大きい10県
流入超過率が低い順(流出超過が大きい順)に並べると、次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 流入超過率 | 流入超過数 | 流入 | 流出 | 自県残留率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 茨城県 | -62.7% | -10,541人 | 3,288人 | 13,829人 | 17.7% |
| 2 | 三重県 | -62.4% | -4,914人 | 1,203人 | 6,117人 | 22.3% |
| 3 | 長野県 | -57.4% | -5,570人 | 2,232人 | 7,802人 | 19.6% |
| 4 | 福島県 | -57.3% | -4,034人 | 1,570人 | 5,604人 | 20.4% |
| 5 | 香川県 | -56.8% | -2,800人 | 1,193人 | 3,993人 | 19.0% |
| 6 | 静岡県 | -53.8% | -9,108人 | 2,942人 | 12,050人 | 28.8% |
| 7 | 岐阜県 | -52.7% | -5,163人 | 2,448人 | 7,611人 | 22.3% |
| 8 | 和歌山県 | -52.5% | -2,222人 | 1,264人 | 3,486人 | 17.6% |
| 9 | 佐賀県 | -50.4% | -1,819人 | 1,189人 | 3,008人 | 16.6% |
| 10 | 宮崎県 | -49.6% | -2,082人 | 971人 | 3,053人 | 27.3% |
流出超過率が最も大きいのは茨城県(-62.7%)で、三重県(-62.4%)、長野県(-57.4%)、福島県(-57.3%)、香川県(-56.8%)が続きます。人数では茨城県の10,541人が最も多く、埼玉県の9,398人、静岡県の9,108人が続きました。
県内の高校出身者が県外の大学に進む割合(流出率)だけを見ると、鳥取県と奈良県が84.9%で最も高く、佐賀県(83.4%)、和歌山県(82.4%)、茨城県(82.3%)が続きます。
まとめ
大学入学者の流入超過率は、京都府が115.5%で第1位、東京都が93.6%で第2位でした。人数では東京都の流入超過74,737人が突出しています。流入が流出を上回ったのは8都府県で、地方では福岡県、宮城県、石川県が入りました。一方、茨城県や三重県、長野県では、県内の高校出身者の数に対して6割前後にあたる人数が差し引きで県外に出ています。大学の立地と進学先の選択がどの程度一致しているかを見る際の基礎資料としてご利用ください。
出典:文部科学省「学校基本調査」令和7年度(確定値)高等教育機関 学校調査 大学・大学院「出身高校の所在地県別 入学者数」(e-Stat)、文部科学省「全国大学一覧」令和7年度(2026年9月30日閲覧)