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大学発ベンチャー企業数ランキング!2025年最新版

国内大学発ベンチャー企業数ランキング

様々なテクノロジーの革新が進む現代において、「どの大学が本当にイノベーション創出力があるのか?」という視点がますます重要になっています。大学で生まれた研究成果がスタートアップ企業として社会に羽ばたく例が増えており、その数は大学の研究力や起業支援体制を測る一つの指標と言えるでしょう。

実際、日本政府もスタートアップ支援を国家戦略に位置づけており、大学発ベンチャーは科学技術力と人材の集積を活かしたディープテック分野の中核的存在として期待されています。

今回は国内大学に絞って大学発のベンチャー企業数ランキングをご紹介いたします。

目次

ランキングの評価方法について

ランキングの評価方法について

経済産業省「令和6年度大学発ベンチャー実態等調査」を基に、2024年10月末までに設立された大学発ベンチャーを集計したものです。研究成果・共同研究・技術移転・学生・教職員・大学出資などの条件を満たす企業を対象とし、各大学の公式発表と照合して正確性を担保しました。

調査では設立5年以内かつ大学と深い関連を持つスタートアップを六類型に分類し、重複を除いてカウントしています。また、前年度比の増減も確認し、国内大学の起業力を客観的に示しました。

大学発ベンチャー企業数ランキング一覧(2024年度)

順位大学名2024年度企業数前年度比
1東京大学468社+48
2京都大学422社+149
3慶應義塾大学377社+86
4大阪大学298社+46
5筑波大学264社+28
6東京理科大学226社+35
7東北大学222社+23
8東京科学大学*187社+36
9早稲田大学166社+21
10立命館大学160社+25

※企業数は2024年10月末時点で確認された数で、前年度比は東京大学 +48社、京都大学 +149社など大幅増加が目立ちます。調査年度ごとの数値差は新規設立数と必ずしも一致しないのでご注意ください。

ここからは各大学の詳細とその特徴的な取り組み・エコシステムについて見ていきましょう。

第1位 東京大学(468社)

第1位 東京大学(468社)

東京大学は2024年度時点で大学発ベンチャー468社を擁し、国内最多です。産学協創推進本部と子会社VC「東大IPC」が資金と経営を伴走支援し、バイオ・AI・材料・宇宙など幅広い領域で26社が上場しています。

2024年開設の起業家拠点「Tokyo Forge」では、研究者と投資家をつなぎ年間40~50社の新規創出を目指すなど、エコシステムの強化が学生の挑戦も後押ししています。

第2位 京都大学(422社)

第2位 京都大学(422社)

京都大学は前年比149社増の422社となり、伸び率で全国トップクラスです。大学VC「京都iCAP」と学内拠点KUViCが研究者主導の起業を支え、再生医療・創薬・グリーン素材などディープテック領域で躍進しています。

山中伸弥教授らの成果を事業化するスタートアップが大型資金調達を達成し、関西発イノベーションを牽引しています。

第3位 慶應義塾大学(377社)

第3位 慶應義塾大学(377社)

慶應義塾大学は377社で私学最多を記録し、全学目標だった「300社創出」を大幅に超えました。湘南藤沢キャンパス発のICT系と医学部系デジタルヘルスが二本柱で、慶應イノベーション推進本部がメンタリングと投資を一体化しています。

OBネットワークの資金支援も厚く、生成AIやWeb3など時流を捉えた学生起業が急増しています。

第4位 大阪大学(298社)

第4位 大阪大学(298社)

大阪大学は医療と工学の融合に強みを持ち、298社のベンチャーを輩出しています。産学共創本部と大学VCがシードからシリーズAまで支援し、がん免疫・遺伝子治療や量子センサなど高難度技術の事業化が進んでいます。

2024年度に開設されたバイオ系アクセラ「OUX Boost」が規制対応や治験設計を支援し、臨床ネットワークを活用した実証が特徴です。

第5位 筑波大学(264社)

第5位 筑波大学(264社)

筑波大学は研究学園都市の強力な研究基盤を生かし、264社を創出しています。ロボット・AI・宇宙分野のベンチャーが多く、装着型ロボットHAL®のサイバーダインに代表される上場企業も誕生しました。

産学連携本部とJST採択「つばさプログラム」がシーズ事業化を支援し、JAXAとの連携拠点では月面探査や衛星データ利活用の新興企業が育っています。

第6位 東京理科大学(226社)

第6位 東京理科大学(226社)

東京理科大学は私立で2位となる226社を数えます。産学連携機構主導のエコシステム「TUSIDE」がシード投資から成長支援まで一貫して提供し、材料・ケミカル・量子などディープテック系学生起業が目立ちます。

神楽坂と葛飾キャンパスのベンチャーラボでは教授と卒業生が技術メンタリングを実施し、化学系スピンアウトの上場準備も進行中です。

第7位 東北大学(222社)

第7位 東北大学(222社)

東北大学は222社を創出し、大学VC「THVP」の78億円ファンドが地方発ディープテックを後押ししています。材料・デバイスや医療バイオ分野でユニコーン候補が台頭し、新エネルギー企業クリーンプラネットなどが注目されています。

仙台INTILAQや金属材料研究所と連携し、水素関連や復興支援型スタートアップを育成することで地域エコシステムを拡大しています。

第8位 東京科学大学(187社)

第8位 東京科学大学(187社)

2024年10月に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して誕生した東京科学大学は、旧両校の187社を継承して初年度から8位に入りました。量子・半導体・医療機器の強みを統合し、学内TLOと新設VCが共同で事業化を推進しています。

量子ナノ工学研究所と医療基盤イノベーションセンターの横断プログラムにより、2025年までにシード30社創出を目指しています。

第9位 早稲田大学(166社)

第9位 早稲田大学(166社)

早稲田大学は166社で9位に位置し、大学VC「WUV」が年間数十億円規模の投資を行っています。EdTech・GovTech・スポーツテックなどデジタル領域に特色があり、全学横断アントレプレナーシップセンターが授業と個別メンタリングを提供しています。

学生向けマイクロVC「EDGE Fund」が文理融合型の起業を後押しし、新たな産業創出を促進しています。

第10位 立命館大学(160社)

第10位 立命館大学(160社)

立命館大学は関西私大で最多の160社を輩出しています。起業・事業化推進室「RIMIX」が研究シーズ型からソーシャルインパクト型まで幅広いベンチャーを支援し、大阪いばらきキャンパスのオープンイノベーション拠点が企業・自治体との連携を強化しています。

フードテックや観光DXなど地域課題解決型スタートアップが多く、産官学民連携の核となっています。

まとめ

大学発ベンチャーは、研究成果をダイレクトに社会実装する「最前線」と言えるでしょう。

上記10校はいずれも独自のエコシステムを備え、ディープテックを中心に世界市場を狙うスタートアップを次々と輩出しています。今後の動向にも注目していきましょう。

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